日進工具で働く女子サッカー選手にインタビュー
夢と、生活と、
未来を手に入れるために。
より実質的な「企業の社会的責任」が叫ばれるなか、2017年より地元仙台の女子サッカーチーム「マイナビベガルタ仙台レディース」をサポートする日進工具。現在、3名の選手を社員として迎え入れ、「働く機会」と「夢を追う環境」を提供している。
なでしこリーグ
マイナビベガルタ仙台レディース
背番号⑥ ディフェンダー
奈良 美沙季 (写真中)
日進工具での業務: 昨年1年間は現場でエンドミルの完成品検査や発送業務に従事し、現在は発注業務など経理事務を担当しています。
背番号① ゴールキーパー
齊藤 彩佳 (写真右)
日進工具での業務: 入社してまだ日が浅いこともあり、今はエンドミル材料の品質チェックを主に担当しています。
背番号⑱ フォワード
沖野 くれあ (写真左)
日進工具での業務: 材料の受け入れや製品検査などの業務に携わっています。
まず、現チームに入った経緯を教えてください。
齊藤: 私は震災をきっかけに創設された「マイナビベガルタ仙台レディース」の初期メンバーです。その前は福島のチームにいたのですが、震災で活動できなくなってしまい、この仙台のチームに受け入れていただきました。高校卒業後、仕事をしながらサッカーをするという生活に入って、日進工具が3社目になります。
沖野: 私は2018年4月に高卒ルーキーとして入団し、チームから就職先として日進工具を紹介してもらいました。
奈良: 私は2017年12月に埼玉のチームから移籍してきました。埼玉ではテレビ局で働きながらサッカーをしていたのですが、勤務時間が不規則で、長時間になることも多く、土日も取材をこなしてから練習に向かうような生活でした。現在のようにサッカーに専念できる環境にいられることに心から感謝しています。
奈良 美沙季
入社前は、「エンドミル」を知っていましたか?
奈良: 日進工具に就職が決まったときは、そもそもエンドミルが何なのかも知らなくて、本で読んでも理解できず……。研修を通して、実際の製品や機器類に触れながら具体的に学んで、専門用語などもやっと分かるようになってきました。
沖野: 私も、何も基礎知識がない状態での入社だったので、機械の名前もわからないし、ミーティングで何を話しているのかも理解できずに大変でした。今では、一生懸命本を読んだりして、なんとか分かるようになってきました(笑)。
齊藤: 私はモノづくりにとても興味があって、日進工具に入る前は蒲鉾工場で働いていました。エンドミルのことは知りませんでしたが、入社して感じるのは、日進工具は、消費者に食品を届ける食品工場と同じレベルで、エンドミルを使われるお客様の安全性を大切にしているということです。
齊藤 彩佳
職場はどんな雰囲気ですか?
奈良: 社員のみなさんが私たちをあたたかく応援してくれていることに心から感謝しています。よく「今日も頑張ってね」と声をかけられるのですが、私も「よし、頑張ろう」という気持ちになります。私にとっては、出社することが大切なエネルギー源の一つです。
齊藤: 他チームの多くの選手がフルタイムで仕事して朝や夜に練習していたりする中で、私たちは仕事の後、16時から練習できる環境を整えてもらっています。仕事とサッカーの両立は楽ではありませんが、恵まれた環境を与えてもらっていることを幸せに思っています。
沖野: 社員のみなさんはとても優しく接してくれて、サッカーの応援にも来てくださいます。仕事もサッカーも応援してもらって、私も、どちらにも力が入ります!
奈良: それと、みなさん試合の応援に駆けつけてくれるのですが、中でもサッカー経験のある後藤副社長はホームゲームだけでなくアウェーゲームにも応援に来てくださるし、「あれ危なかったぞ」とか「あのプレー良かったなぁ」などアドバイスもくれるので、とても心強い存在です(笑)。
今後の目標を聞かせてください。
齊藤: 震災という厳しい状況のなかで、もうサッカーなんてしていられないんじゃないかと思いながら……でも心のどこかでは、やっぱりサッカーがしたいと……。当時は、チームのみんなが同じ気持ちだったと思いますが、今は仕事にも就けて、サッカーを続けられていることに本当に感謝しています。2020年には東京オリンピックが控えていますので、サッカー選手としては日の丸を背負うことを目標にしたい。また、サッカーだけではなく、仕事も努力を続けたいと思っています。今はまだ入社したばかりで右も左もわからない状況ですが、ものづくりにはとても興味がありますので、いつかは製品企画に携わりたいというのが私の夢です。
沖野: フォワードとして、もっと得点に絡むような結果を出していきたいと思います。仕事面では入社2年目。これまでにもいろいろなことを学んできましたが、まだまだ学ぶべきことがたくさんあります。ゆくゆくは頼まれた仕事だけでなく、自ら提案してその仕事を任せてもらえるようになりたいと思います。
沖野 くれあ
奈良: 今はチームを「なでしこリーグ」で3位以内にすることを目標としていますが、日進工具に入社して新しい目標もできました。私は、日進工具のブランドステートメントである『「つくる」の先をつくる』という言葉が大好きです。日進工具は、鉛筆削りから始まって、高い技術力で不可能と思われた製品を生み出して成長してきました。これからも想像できないような製品を生み出していくと思います。「つくる」の先をつくって、もっと先をつくっていく。未来をつくるこの会社に、これからも携わっていけたらいいなと思っています。